俺の学生時代は問題解決学習やゆとり教育とは無縁の時代であったので、 「授業中」と言われて思い出すのは、黒板の板書をせっせと書き写していたことだろうか。 詰め込み教育の申し子である。 その割に、あの頃詰め込んだ内容の大半がきれいさっぱり抜け落ちてしまっているので、 色彩の印象でしか思い出すことができない。 濃い深緑色の黒板に、白いチョークの板書。大事なポイントは赤の下線で強調。 その他のイメージはというと、実際の自分の思い出なのか、 よくあるステレオタイプだったのかすらおぼつかない。 チョークを投げる教師は高校に一人いたような気がするが、定かではない。 「ここ、試験に出るから覚えておくように」と言う教師はいなかったような気がする。 竹刀を持ったジャージ姿の体育教師はいたような気もするし、いなかったような気もする。 「廊下に立ってろ」と言う教師はもしかしたらいたかも知れない。 「いや〜ん、まいっちんぐ」とポーズを取る教師は間違いなくいなかった。 |