ロボさんの作品
まいど。ドキュメント。
旅と言えば、思い出すのはやはり「ぶらり途中下車の旅」である。
いきなり「絵びばで。」の主旨からずれていないか心配になる書き出しであるが、
別に、阿藤快やダニエル・カールについてとやかく言うつもりはない。
例えば、駅名を知ってはいるが、降りたことのない街。
改札を抜けるとすぐに、
申し訳程度のロータリーがあって、
その中心はツツジの植込み、真ん中に変な石像がでんと居座っている。
駅の正面から、
いかにも「昭和」な雰囲気の商店街に続く路地がすっと奥まで伸びて、
色とりどりのビニールでできた安っぽい飾りが
これまた安っぽく揺れている。
そんな見慣れない町並みをぶらぶらと歩いていると、
普段は目に留まらないものに目が留まり、
普段は気が付かないことに気付いたりする。
忘れかけていた、もしくはすっかり忘れていた思い出を、
不意に思い出したりする。
旅先の風景から逆説的に見えてくる、日常の風景、そして自分。

たまには、ぶらりとそんな小さな旅に出るのも悪くない。